100人がユニティちゃんになった日 VR Walk & Run、Unity VR EXPO出展記
2016年7月17日Unity VR EXPOというVRコンテツの展示会があったのですが、そこに出展したときのアレコレをTwitterからまとめてみました。VRの開発や展示、イベントに行くひとの参考に多少はなるかも。
イベントのデモリールはこちら。
Unity VR EXPO AKIBA デモリール公開。いろんなコンテンツを体験できそうですね https://t.co/tAtqI5bax3 @YouTube #vr #VREXPO_JP #oculus #vive
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月12日
VR Walk & Runという謎の名称ですが、ユニティちゃんになってVR世界を歩いたり、走ったり、囚われているもうひとりのユニティちゃんを助けたりするコンテンツです。Oculus RiftとLeap Motionを使っています。
※開発時の話を知りたい方は以前の記事へどうぞ。
イベント前日の設営。秋葉原の会場へ
まず機材をどうするかですが、ハンドキャリーしました。
Oculus展示モバイルパッケージ pic.twitter.com/l5AhzEomyF
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月16日
スーツケースに入るようなPCとして最初から考えて買ってたので、なんとか収まってます。
Unity VR EXPOに出展するVR Walk & Run、なんとか準備を終えました。明日うまくいけば、ユニティちゃんになってVR世界を歩けます!#vrexpo_jp #unity #unitychan pic.twitter.com/jhTC0HOe2D
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月16日
HMDつけて足ぶみするのは目隠しして足ぶみするようなもの。自宅では使ってないけど、イベントでは安全のため子供用のボールプールを持っていって、囲いにしました。素足で入れば、足の感覚で位置のズレがわかります。(これはアプリ側でHTC Viveみたいに危険ゾーンに近づいたらHMD側にガイドを表示するのでもよいかも)
機材トラブルも少し。もしかしたらという覚悟はあったのですが、ワイヤレスマウスなどの無線系はこういうところだと調子が悪いので、有線マウス&キーボードを現地調達しました。さすが秋葉原。
あと、LeapMotionが反応しなくてPC再起動で直ったり、現地でオブジェクト追加したり、キャリブレーションで困ったり、素足でも歩きやすくするためマットひいたり…いろいろ調整。
準備については、昔アーケードゲームの展示などを仕事でしてたことあるんですが、個人でVRのイベントに出展するのははじめてだったので、次の記事をかなり参考にさせていただきました。
準備中、自分のことに必死でまわり見る余裕はなかったのですが、CIRCLE of SAVIORSのグリーバック合成映像は遠めにもど迫力でかなり楽しげでした! やってみたい… #vrexpo_jp
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月16日
イベント当日
当日は会場の外でもけっこう並んでる方がいて、開始と同時にたくさんのひとが。
なるべく多くのひとが遊べるようにHMD装着から見え方の調整、身長のキャリブレーション、実際のプレイ、ウェットティッシュで拭いて次のひとへ…という一連の流れが3分30秒から4分になるよう用意していて、そこは狙いどおりやれたかなと思います。
というのも、ありがたいことに前半展示をお手伝いしてくれた方がいるのです!
あ、あれ、よく考えたら、自分が展示してたら他の方の展示見れないじゃないか(汗) …Unity VR EXPO当日展示手伝ってくれる方いないかな【緩募】
— n_ryota (@n_ryota) 2016年6月24日
こんな感じのツイートをして、名乗りをあげてくださったのが同人サークル「みどりのまど」の@kanatoさん。当日までメッセージのやりとりをしつつ、同サークルの3名の方と一緒にケーブルの取り回しやら、事前説明やら、素晴らしい対応をしていただけました(本当にありがとうございました!)
ちなみに自分自身も他の展示コンテンツを遊びたかったのですが、優先チケットの予約さえ行列がある感じで、諦めました。悲しい…!
Unity VR EXPO AKIBAにてVR Walk & Run展示中です! ユニティちゃんになって足ぶみで歩いたり走ったり魔法使ったりできます。 #vrexpo_jp https://t.co/W87spWAyzP
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月17日
後半はひとりでやってましたが、前半にいろいろと慣れることができたのでペースを落とすことなくできて、楽しく展示ができました。体験者の方も優しい方が多くて、困ったときに手伝ってくれたりもして。
VR Walk & Run ユニティちゃんになって足ぶみでVR世界を歩いたり、走ったり、魔法を使ったりして遊ぶ様子。最後の宝箱をあけたあとは…秘密です #vrexpo_jp #oculus #screenshotsaturday pic.twitter.com/IljVRQoeko
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月19日
魔法以外にもUnityちゃんがしゃべってくれたり、リップシンクしたりします。ちなみに以前からこの右下に見えてるヤツは @oukaichimon さんの「VR鼻」です。あと前々から呼吸で胸が上下してたりもする(止まって見ないと気づかない)
イベントが混雑していたのもあり、おかげさまで行列は絶えませんでした。でも待ったあと足踏みは疲れると思ったので、プレイ直前の方には椅子に座って待ってもらいました。
あと待ってる間に読めるよう、A4の雑誌記事風の説明書を用意して回し読みしてもらったり、他の方がプレイ中に次の方にプレイのコツを口で説明したり、無駄なくローテーションできるように気をつけました。
あと興味本位で他のコンテンツを体験した感想を聞いたり。そんな感じで、
美少女になれるなんて夢のようだ
— 焼きそばメロンパン@🍣🐈 (@ice_arr) 2016年7月17日
と楽しんでいただけて、
VR Walk&Run ユニティちゃんになってVR世界を歩き回ろう
— ハクモク (@hakumokuu) 2016年7月17日
ユニティちゃんになってVR世界を歩き回れるゲーム。
足踏した際のHMDの傾きだけで歩くのは独特。
鏡に自分自身が映った際、胸にそっと手を伸ばしたくなる。
だが俺だ。 https://t.co/fDgqgjNy6X
男性はやはり胸がある不思議を体感されていますねー。
地震あったらしいけど俺はUnityちゃんになっていたので気付かなかった
— しゅごしゅぎ (@syugosyugi) 2016年7月17日
地震があっても自分も必死で気づいてませんでした。
あと、VR初体験の方は壁に近づくとぶつかりそうに感じてびっくりしてるひともいて、この感じ自分もあったなと思い出したり。
VR Walk & Runを体験した方のセリフで印象に残ってるもののひとつが、体験終了後HMDを外してまわりをみて「なんだこの灰色の世界は」というもの。
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月19日
会場がオシャレなモノトーンな感じのせいもあり、HMD外したときに色あせた世界を感じちゃうという。
Web媒体の記事
『VR Walk & Run ユニティちゃんになってVR世界を歩き回ろう』ship of EYLN ユニティちゃんになり囚われユニティちゃんを救出 歩きは横揺れ足踏みで走る Leap Motionで魔法発動&物を掴... https://t.co/ZwzZuz0RyL
— Mogura VR (@MoguraVR) 2016年7月17日
記者の方もこのようにすごい勢いで体験してくださいました。
VR walk & Run記事ありがとうございます!(記事でふれられている「Unity Chanの足踏みで無限に歩けるやつ」は特別なハードウェアではなく、頭に付けたHMDの動きを監視するソフトウェアです) https://t.co/vEaeNBHyXv
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月27日
無事終了!
Unity VR EXPO AKIBAへの出展、無事終了! 常時並んでる方がいて、もう1、2台の体制じゃなきゃ申し訳ない感じでしたが、プレイヤーチョイスアワードで4位だったらしい? (最後まで展示しててあまり見れず) 体験者の皆様ありがとうございました! #VREXPO_JP
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月17日
自分以外誰もテストしていない中出展したわりには、身長のキャリブレーションも歩きもうまくいったかな、と。でも、歩きの認識はもう少し緩めの方がよかったかなと思いますね。
酔いについて聞いたところ、酔いそうという意見は比較的少数でした。通常のコントローラー移動に比べて、立って足ぶみする方が酔いにくくはあるようです(誰でも酔わないわけではない)。
※非公開の最新版では歩行認識少し緩めの設定になってて歩きやすくなり、歩きの補間も慣性を減らしてより酔いにくくなってたりします。
100人中数名ほど、その場ジョギングの走りでバランス崩してしまう方がいました。走りは縦揺れを検知してるので、少し動きが激しくなります。HMD付けたてでバランス感覚がしっかりしていないときは慣れるまで気をつけた方がいいですね。歩きについてはHMDの左右のゆれをベースに検知してるので、動きとしてはそちらの方が安全性高い印象です。
でも体験者の方の笑顔や笑い声、静かに興奮した様子、そういうのを見ると、展示してよかったなぁと思います
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月17日
現在のVR Walk、歩き方のコツはペンギン歩き的水平移動、そこから飛び跳ねる感じのジョギングで走りへ…なのです。が、HMDつけた状態でサポートするとき、男性なら躊躇なく肩をもってコツを伝えられるんですが、ノースリーブの女性には躊躇してしまい…女性スタッフの必要性を感じました
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月17日
意識しすぎて、まぁやらしい! いやでも、普通ならゆっくり慣れてもらえばいいんですけど、VRのHMDをはじめて被るようなひとに、足ぶみさせつつ探索してゴール目指して3分で遊んでもらうっていうミッションって、普通に考えるとハードル高いですよね。
一応、ガイド役に蝶をとばしたりしてはいますけど、長く待ってうまく遊べないと悲しいと思うので、戸惑いがありそうなら肩持ってこう歩く感じですよーとする方が伝わるんですよね(このときは口で伝えました)。
Oculusは後頭部の認識が微妙に苦手な気がしたけど、どうなんだろう。展示中、へんになってRiftのリセットかけたりもしました。あと右へッドホンが鳴らない症状は続いてたりします…
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月17日
VR Walk & Runという名前でデモしてますが、移動にこだわってるわけではなくて、自分の身体が透明人間ではなくVR空間にあって、歩けて、そこにいるって感じをいろんな方法で追求したいなと思ってます。
あと、展示の案内で必死であまり見る余裕がなかったのですが、体験者の投票でアワードが発表されてたらしいのです。
たしかに4位だ。皆さま、ありがとうございます! 1台での展示で1人4分だったのでお待たせして申し訳なかったのですが、100人ちょっとのかたが体験できたと思います。 #vrexpo_jp https://t.co/wkwYKLIXwJ
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月17日
そして、グッドコンテンツアワードは5位なことをこのツイートで知る。こちらも、ありがとうございました! もう少しいろんな歩き方に対応できたらよかったなぁというのが収穫&反省点です。 #vrexpo_jp https://t.co/dfOABSE31a
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月17日
38コンテンツのなか、選んでいただけてトップ5にランクインできたのは嬉しいことです。
設営に使って安価なわりによかった機材など
Oculus Riftトラッキングセンサーのイベント設営でよかった機材を紹介。「雲台ボールヘッド付きクリップ https://t.co/h9Za4uZ7s8」でテーブルをはさみ、「伸びるスタンド棒https://t.co/qKqdxpGoeK」で上から見下ろし全身トラッキング。
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月18日
Oculus Riftのトラッキング範囲はDeskSceneでチェック。すごく助かりました。 https://t.co/WIEt9pFoCa https://t.co/h3YIOUvKs8
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月18日
このぐらいのモバイル機材があると、このくらいの展示ができます。※モニターはレンタル pic.twitter.com/554epx3iFz
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月17日
あとはホームセンターで軽いボードを買って、コンビニでA3カラーで出した紙を2枚貼り付けてコンテンツの案内に使ったりもしました。
※今回モニターはお借りできたのでとても助かったのですが、借りられなかったらモバイルプロジェクターでこのボードに映像出して使おうと思ってました。
コンテンツダウンロードカードで自宅VR EXPO
しかし、たくさん遊びたいコンテンツがある中、出展すると遊べないという悲しみ…でも、今回はコンテンツダウンロードカード(有料)という試みで自宅でいくつか遊べたりしたんです。ありがとうございます、Unity様!
自宅でRiftをつなげなおして、コンテンツDLカードの各種デモをダウンロードしてバーチャルUnity VR EXPO。まったく並ばないでよいのは素晴らしい。(体験者の方とも色々話をしてたのですが、次はバーチャル会場があってもよいかもですね。デモ以外に会場のライブ配信とかも含めて)
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月18日
ちなみにVR Walk & Runについて、Unity VR EXPOコンテンツDLカード(Oculus)のものは提出期限7/11版で、7/17当日は発展バージョンを展示してました。ブース設置の案内はこれ #vrexpo_jp pic.twitter.com/ptiA68r2EX
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月17日
コンテンツDLカード所持者の方に向けて、VR Walk & Runの展示会時のバージョンをこちらに置いておきます(8月末まで)。https://t.co/8Vb13OPjhu
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月18日
readme.txtの最後の行にあるパスワードを入力 https://t.co/GFLkfYJKcM
展示会時は時間制限機能がONになっていて上を見ると残り時間がわかったり、区切りの時間で告知があるようにプログラムしてあったんですが、ダウンロード版はOFFになっているので時間を気にせず遊べる感じです。
ちなみにコンテンツDLカードに収録された作品の作者には収入の分配がありました。いろいろ出費の激しい開発者には嬉しい試みです。機材費や出展にかかる費用をまかなうとかそういうレベルではないですけど、収入があると別のガジェットを買うとき家族に説明するときに助かるかも。
VR Walk & Run、正式じゃないけど一応Steam VR用のコードもいれてあるのでViveでも動かなくはないはず…(鏡とかはおかしい)
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月19日
後日談 修理とか
イベント前から片側ヘッドホンが鳴らなかったOculus Riftはサポートに問い合わせて、修理に出すことに。
Oculus Riftの右ヘッドホンが鳴らない件、返送して見てくれることになりそうだけど、1~2週間開発やデモができなくなるのがつらい。でも、サポートを日本語でしていただけるのはすごく助かる
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月26日
Oculus RiftからLeap Motion本体とケーブル取り外して、手製でかぶせて縫ったVR Coverを解体して、梱包完了。かなり面倒だった…また会う日までさようなら… pic.twitter.com/SnjmvrEsmb
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月27日
※FedEXはいろいろと面倒でしたが、後日、無事修理(交換品?)されて戻ってきました! ありがとうOculusの方々。
最新映像
ユニティちゃんになって足ぶみで歩いたり魔法を使ったりするデモの紹介映像、音声入りバージョンを最後に。
イベント会場では最後のシーンを秘密にしていて、PCのモニタとHMDで別々の画面を出すようにしていました。並んでいるひとは最後にPCモニターの月の映像を見て「どうなってるんだろう?」って感じで、HMDをつけてそこまで行けると「お、そういうことか!」となってましたね。
今度は音声付き。Unity VR EXPO AKIBAで展示したVRデモの紹介動画です。ユニティちゃんに憑依して、その場の足ぶみで歩いたり、あと魔法を使ったりできます。※最後にネタバレありhttps://t.co/BpyjBTaNtb #UnityChan #vr
— n_ryota (@n_ryota) 2016年7月29日
上はYoutubeで、下はニコ動バージョンです。
ニコ動は最初100Viewぐらいだったのですが、ある日急に広がり2万View以上見られてびっくりでした。
ユニティちゃん公式にRTしていただけて嬉しいです。いつかユニティちゃん本人にユニティちゃんになってもらう(?)のを密かな目標に…
— n_ryota (@n_ryota) 2016年8月24日
VR Walk見て、自分がガッツみたいなキャラになって美少女を助けたいというコメントもあるのですが、そういういろんなキャラでいろんなことしたいなという思いはあります。誰かアセットを…
— n_ryota (@n_ryota) 2016年8月27日
動画のコメントでVR Walkにかぎらず、VR全般への期待を感じました。 これから出るいろんなコンテンツも楽しみです。PS VRももうすぐですよ!
おまけ
あと、ひとによっては&気分によっては足ぶみしない移動もしたいだろうということで、次のような機能も追加しました。
VR Walkで足ぶみと併用できる移動機能を追加していたので、動画化。Oculus Remoteやパッドで三人称キャラ移動し、瞬時に一人称に。実際にキャラが動くワープ移動(カメラのワープ)みたいな感じで酔いにくい #Oculus pic.twitter.com/mD0EtZ30vr
— n_ryota (@n_ryota) 2016年8月25日
Oculus Touchが販売されたら腕振り検知による歩行にも対応させたいところ。
VR Walkでキャリブレーションしてるときに思ったけど、VRで現実より身長高いキャラになると部屋の入り口で頭かがめないとぶつかるし、子供視点になると同じ場所なのに世界が違ってみえる。自分じゃない誰かの立場を体感できるのは、VRのよいところのひとつだと思う
— n_ryota (@n_ryota) 2016年9月22日
三葉や瀧くんになる「#君の名は。 VR」体験を作るとしたら、やっぱり透明人間にはしないで、こんなふうに姿を出して動かしたいな。あのテンポの良さは映画ならではですけど! https://t.co/PQlC2h6N46
— n_ryota (@n_ryota) 2016年9月5日
そういうコンテンツを作りたいときはお声がけくださいw
参加できそうなので、登録しました! JapanVR Fest(旧オキュフェス)開発者会 皆の10分を繋げてVRの未来を作る https://t.co/qsXG2Vuje4 #atnd
— n_ryota (@n_ryota) 2016年9月16日